『デッサンを指導してください』 小学生だよ。しかも手を描く。面白くない。はて、どうやって楽しくさせようか。
『手をだしてください。この指はなんていうのかな?』 皆名称は知っている。
『じゃ、よく見てね、5本あるよね、もし、一本別のがあったら、どこに生えているのかな?』
えぇ〜と、悲鳴があがる。
『で、その指は鳥さんでもいいし、虫さんでもいいですよ』
さあ、蜂の巣を突いた騒ぎになった。

『俳画の指導をしてください』どうして、こう難しいことをやるの?大人視線だよ。
『季語は春がテーマです』こうなれば、パターンはおのずと決まってくる。黒板に3つのテーマでサンプルを描いた。
名前をアピール、句を中心、絵がメイン。
『これ以上のものを考えてくださいね。』45分の授業だ。子供たちはいろいろアイディアをひねり出した。
『大丈夫ですかね、もう時間が無いですが』担任が心配する。子供たちは頭の中で構図を一生懸命練っている。
それからパーと描き出した。早い早い。