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みやちさん、瀬戸田のアトリエ
米友人・住民らと棟上げ

 

 瀬戸田町に移住した被爆二世の版画家・詩人、みやち治美さんのアトリエ兼住居「ドームハウス」の棟上げが8、9の両日、あった。6月下旬完成を目指し、作業は急ピッチで進んでいる。

 


 ドームは約180平方メートル、頂部の高さ9メートル。7日には米国から三角形の壁材や柱など部材が届いた。同じ日に米国ウィスコンシン州から知人の建築業マーク・マーンドさん(36)とデイブ・アルトマイヤーさん(33)も来日し、組み立てを手伝っている。
 

 みやちさんは兵庫県宝塚市出身。1996年にはヒロシマを主題にした英文の詩が米国のコンテストで特別賞を受けた。
 

 アトリエをドーム型にしたのは「瀬戸内の島から平和への願い、祈りを発信したい」という思いからだ。みやちさんの考えに共鳴したマーンドさんらが応援に駆け付け、町や尾道、因島市の住民も作業に加わった。
 

 みやちさんは「日米草の根協力による『平和のとりで』建設という思いがけない展開になった。この感動を今後の活動に生かしていきたい」と気を引き締めている。
 

 2002.05.10 中国朝刊 尾