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中国新聞

2004年4月27日

 

 

ソーラー版画普及に力
 

瀬戸田


 「ソーラー版画は安全で、子どもからお年寄りまで楽しめます」。版画家みやち治美さんは、地元の中学生とソーラー版画のプロモーションビデオを制作した。薬品を用いず、紫外線を利用して金属板を腐食させるのが特徴で、1時間ほどで色刷りまで完成するという。
 兵庫県出身のみやちさんは1991年渡米、カルフォルニアに移住した。97年、クラフトンヒル大学入学、ソーラー版画の研究開発チームに入り創作活動を始めた。公募展に入賞したり、個展を開いたりして2000年に帰国した。
 「10年間、地平線を見て創作した。次は水平線を見て制作だ」。縁あって生口島にドームハウスを建築して暮らし、「瀬戸内の青」をテーマに捜索に励んでいる。瀬戸田は紫外線の量が多く、空気がきれいで雨が少ない地。ソーラー版画にはベストという。
 4月から瀬戸田中学の非常勤講師。「世界に通用する版画家を育てたい」と熱い思いを語る。
 5月1日から瀬戸田のカフェ・テラッセで作品を展示。11月には福山のしぶや美術館で版画展の予定もある。

高畦八重子

 

 

 


 

 

 2004.04.27 中国朝刊