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山陽日日新聞

2004年4月29日

 

 


 

ソーラー版画家、みやちさん
 

素敵な人、景色の尾道
 

人を再生させる瀬戸内の奇跡の青

減量にドッグフード
 (続編)2日前、新大阪のホテルで関西若手実業家の人達の勉強会に招かれお話をしました。バンタム級世界7位のボクサーの私の話を聴きに来ていました。講演のあと谷町と3人で話す機会を盛ったんですが8月世界タイトルをやる前、ドームでキャンプを張りたいというのでOKしました。タイトルを取るとチャンピオンベルトを巻いて私が11月〜12月に個展を開く福山、しぶや美術館の前の道路を2人で走り、デモンストレーションしようという約束をしました。

◇ 少年を奮い立たせる瀬戸内の春◇
 今、私のドームに1人の少年が来ています。都会で恐喝事件を起こし、保護観察中の身。ボクサーを目指しています。世界ランカーにそのことを話したら、お手伝いしたいと言ってくれました。ボクシングをやって身体や心を鍛え、強くなりたい、まっとうに生きたいと少年は切実に思っている。
 彼を奮い立たせる原動力は“瀬戸内の青”だと思う。私は瀬戸内の青を「奇跡の青」とネーミングしている。それはアカプルコの青でもなければエーゲ海の青でもない。希望や勇気を与える特殊な青で、この少年は瀬戸田海岸を7〜8km走り、段々元気になってきた。
 はじめは大学のダの字も言わなかったが大学に行きたいと言い、英検の2級資格をとるべく、島の電気屋さんで働いたあと定時制高校に通っています。英検の2級を取ると推薦入学できるのです。

◇ 老人大学のネーミングを変えたら◇
 皆さん入学式の気分はどんなですか。小学生、中学生、大学生の気持ち?高校生の気分なら気持ちも若々しく、みずみずしい肌になっちゃいますよ。人間、いくらでも変わっていく力はあります。
 前に青い海が広がり、後ろに山がそびえた良い環境にいたら、肉体が開放され、食欲がバンバンわいてくる。
 老人大学というと老人みたいになっちゃう。もっと良いネーミングに変えられた方がよい。帰ることで自分の面たちティを違うところに持っていける。
 尾道には不思議な海があり、すごい力を持っています。昨年、ボクシングの試合をやり、ケガを負い、尾道のJA病院に入院しました。目の周囲の神経が切れ、強いステロイドホルモンを使いました。この薬を使うと眼圧が上がり下手をすると緑内障となり、機能障害が出る、そして回復する確率は3割だといわれました。奇跡的に回復しました。瀬戸内の青の働きだと思いました。ただ肉体は無事生還したのですが精神が駄目で1か月くらい落ち込みました。

◇ やさしく、ダンディな遺伝子◇
 ある日の夕方、ドームへの坂をトボトボ、上がっていました。ドームとミカン畑の境界のコンクリート壁に自分の姿が写っている。その影は黒っぽいのですが空と同じ青い色が燃えている。錯覚ではないかと思ったのですが、その瞬間、すごく元気になりました。
 ソーラー版画のプロモーションビデオを作る日、朝から霧で、困ったなぁと思いました。ところが作業を始める直前10時10分前、霧が晴れ、太陽がサンサンと降り注ぎました。紫外線を測定したら、真冬なのに1000もあり、瀬戸内の人達が健康で元気なわけが分かりました。皆さん、日本の中でも本当によいところに住んでおられます。海岸に出て深呼吸しましょう。瀬戸内の海は人を再生させる力があります。
 尾道では沢山の素敵な人とお会いしました。優しくてダンディ、そんな遺伝子をお持ちです。皆さんは生まれた時から景色を見て、その良さが分かりにくいかと思いますが、私のように外から来た人間には尾道はとても素敵で、来るたびに新しい発見があり、感動しています。

◇ 世界チャンピオンになったら「ワン」◇
 今、世界タイトルに挑戦するボクサーが減量に苦しんでいます。私自身は減量は全く苦になりません。それはそれは不思議な食べ物を食べています。ビーフ味、フィッシュ味、ラム味などバラエティに富み美味、乳酸もたまりません。ビタミンも普通6000Uのところが10万Uもあり、トイレに行っても悪臭が漂わない。それはアメリカ製のドッグフード。世界ランカーのボクサーにこのドッグフードをすすめ、世界チャンピオンになったら「ワン」と言ってもらいます。
 最後に「皆さん、毎日勉強したり、趣味に取り組んでおられ、右の脳と左の脳を刺激、豊かで素晴しい表情をされています」と称え「入学式が終わったら少年少女になって海岸通を闊歩しましょう」とお年寄りに元気を与えていた(終わり)。

〔写真は知恵と工夫を凝らし、独力で建てたドーム型アトリエ〕