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瀬戸内海の青は

ミラクルブルー

福山でソーラー版画展

 

朝日新聞2004年11月21日 備後版

 

 

 瀬戸田町の版画家、みやち治美さんのソーラー版画展「ミラクルブルーの世界」が20日、福山市本町のしぶや美術館新館で始まった。瀬戸内の海をイメージした新色「ミラクルブルー」を基調とした新作など70点を展示している。1月30日まで。

 

 国内では珍しいソーラー版画はエッチングと同じ凹版だが、薬品で金属を腐食させて凹版をつくるエッチングと違い、紫外線を利用する。安全で、しかも短時間で作品が完成するため、子供でも取り扱えるという。

 

 みやちさんは91年に米国カルフォルニア州に渡り、ソーラー版画に出会った。スペインの美術学校に留学していたこともあって、めきめきと腕を上げ、コンテストで入賞。00年に帰国して、瀬戸田町の丘の上にアトリエのドームハウスを建てて、地元の子供たちにソーラー版画を教えている。

 

 この日はオープニング式典があり、みやちさんは「瀬戸内の青を小さな島から世界に発信したいと思って移住した。今は廃れているが、元々日本は版画の国。ソーラー版画は45分程度で作品を作成できるので、技術を広めて若いアーティストを増やしていきたい」と語った。

 

 27日には、ソーラー版画でクリスマスカードを作るワークショップもある。親子を対象に、みやちさんが指導する。午前10時〜正午、定員20人。参加費は親子2人で2千円。申し込みは同美術館(084・925・2113)へ。